Contents

右でしか蹴れない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私は10歳のころからサッカーを教わってきたにもかかわらず、右足でばかりプレーしています。きっとコーチからは「左右で蹴れるように」と指導を受けたのでしょうが、大人の言う事をきかない子どもだったことが災いして、成就しませんでした。左右で蹴れるプレイヤーを見ると本当に羨ましいと思います。

さて、それでは子どもたちを教える立場になって
「自分は変な癖がついたので、子どもたちには左右均等に蹴れるようになってほしい」
と左右同じように使うことを強制するかと言うと、どうもそういう気にはなりません。
ひとつには「利き足の度合い」という個性があるような気がするからです。例えば同じ右利きでも極端な右利きの子とあまり苦労せず両足で蹴れる子とがいます。わかりませんが遺伝的な差異があるのではないでしょうか?
もうひとつは「左右を強制することでサッカーの楽しさと自由を奪いたくない」ということです。例えば私が10歳の時、左右均等なバランスでプレーすることをしつこく強制されたらサッカーが嫌いになっていたかもしれません。
そこで私がいきついた指導方針は
1)せっかくサッカー少年団に入ったのだから左右で蹴ることを教える
2)しかしサッカーの楽しさを越えてそれを強制するようなことはしない
というものです。

「それじゃあ一流の選手になれないのでは?」 ― 大丈夫。
世界には利き足ばかりでプレーしている超一流選手がたくさんいます!
ショートパスはアウトサイドとヒールを使えば360°どこへでも蹴れます。ロングパスができる状況は利き足に置く余裕のあるときでしょうし、リスタートをわざわざ逆足で蹴る必要はありません。「日本代表の長友のように、頻繁にサイドバックがタッチライン際をトップスピードでかけあがりセンターリング!」するにはタッチライン側の足のキックを要しますが、利き足側のサイドバックでポジション争いをすれば良いのではないでしょうか?また、頻繁でないなら切り返せばいい。

しかし「どうしても利き足でしかプレーしない」子どもにも
1)シュート
2)切り返し
だけは逆足(利き足と逆の足)の練習を強制します。

1)シュートの場面では0.5秒の差でディフェンスの足がのびてきます。全て持ちかえていたらチャンスを逃します。どんなに低学年の時にドリブルが上手くて持ちかえる余裕があっても、高学年になりレベルが上がると、どうしても逆足でシュートを打たなくてはならない場面が増えてきます。また、利き足で切り返して逆足でシュートというゴール前の大事なプレーのバリエーションを手に入れることができません。

2)は利き足で切り返した次のタッチを逆足でできるようにする = ダブルタッチのツータッチ目のことです。利き足で切り返し、再び同じ足のアウトサイドで戻す方法もありますが、逆足で切り返した方が、ディフェンダーの背後に入れる可能性が高い。ディフェンダーを「かわす」と「抜き去る」差がうまれます。

そこでこの二つの練習だけは、どんなに頑固な子、利き足偏重の子にも強制します。

それでも、やっぱり、一番かっこいいのは左右同じように蹴れる選手だよなぁ~。

関連記事